アーキテクトタイプのエンジニアが思う「顧客の実現したい世界観」を踏まえた設計の大切さ
はじめまして、パーソルプロセス&テクノロジー(以下パーソルP&T)の工藤です。
今回のエンジニアブログでは、「自分で手を動かしたい」アーキテクトタイプの私が考える「設計に大切なもの」をご紹介します。
筆者の紹介
始めに
エンジニアというと、主に要件定義などをしたいプロジェクトリーダータイプと、自分で手を動かしたいアーキテクトタイプがいると思います。
私は自分で手を動かしたいアーキテクトタイプのエンジニアです。
そして、アーキテクトタイプの方なら製造が一番好きだという人も多いのではないでしょうか?
かくいう私も生涯プログラミングをして生きていきたいと思っていました。
ですが、ある程度プログラミングに慣れ始めたとき、作業がパターン化し始めたなと感じたのです。
もちろん細かいテクニックなどはあるものの、90点が91点になるような緩やかな変化になり、悪くいうとマンネリ化しているなと……。
それと同時に顧客と話す機会も多くなり、次第にプログラミングをすることよりも、どうシステムを構成するか、どういう方向性で作っていくかを考えることに楽しみを覚えるようになりました。
製造に技術力って大事か
エンジニアに必要な能力とは何でしょうか?
深い知識、応用力、生産性……など、色々な要素が考えられます。システムを作るためにはこういった、いわゆる技術力は大事なものです。
それと同時に、誤解を恐れずに言うのであれば、余程の最先端・研究職でもない限り、そこまで多くは求められないものであるとも思っています。
そして、ある程度プログラミングができるようになってくると「こういう作りにすればいける」というイメージがつくようになってきます。
そうなると、あとは手を動かすだけなので「自分で作らなくてもいいな」と考える人も少なくないのではないでしょうか?
基本的に製造は設計の段階でほぼ終わっているといっても過言ではないと思っています。
「アーキテクト寄りの人間が一番楽しめるところはどこなのか」
それは設計にあると思います。
どのような技術でどのように作るか、顧客のやりたいことを考えればこう作るべきだ、と考えることができれば、あとは手を動かすだけの単純な作業になりえます。
そのため、製造における重要な能力は「ニーズに沿った設計ができる能力」だと私は考えます。
私の考える設計に大事なもの
皆さんは「顧客が本当に必要だったもの」というイラストをご存じでしょうか?
システム開発における顧客の要件と現実のギャップを表したイラストなのですが、私はこのイラストには先があると思っています。
継続開発をしていると分かりやすいのですが、基本的に一回のプロジェクトで顧客のニーズを完璧に満たすことはありません。
要件は第一段階であることが多く、拡張する、あるいは場合によっては破棄して作り直す、と言ったことも多々あります。
つまり「顧客が本当に欲しかったもの」にはその先があるのです。
ここが良くなったから次はここを良くしたいなど……、無限に要望が出てきます。
ではそれを全て直すのかというとそうでもありません。
基本的には「顧客の実現したい世界観」というものに沿って機能を拡張していきます。
そして、往々にしてこの「顧客の実現したい世界観」はリーダーが把握していても製造者が把握していない、意識していないということが起こりがちです。
例えば「●●をしたい」という要件に対して、●●をする機能を単純に作成すると次の機能拡張で××の機能を考慮していなかったので大改修が必要です。
影響範囲も膨大で調査と修正とテストに時間をください、といったことがよく発生します。
設計をするということは言われた要件を満たすだけではなく、最終的なビジョンを見据えてシステムがどのように進化していくかを踏まえた設計が大事になると考えています。
良いシステムを作るのであれば設計者も「顧客の実現したい世界観」を把握したうえで設計がしっかりできている、その上で製造を行うことが大事です。
この「顧客の実現したい世界観」と「現在の開発要件」と「システム」の折衷案を考えることが設計の一番の楽しみで、同時に一番難しいところであると考えています。
最後に
私自身、アーキテクトとして特別優秀だとは思っておらず、またマネジメントに強いわけでもありません。
そんな中で自身の価値発揮をできる、そして一番楽しめるところを探したときに、今の自分の主戦場は設計にあるなと思っています。
上流工程にあまり興味が無い方も「顧客の実現したい世界観」を踏まえた作りというものを少し意識してみてください。今と製造に対する作りが変わってくると思います。
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