誠実に実現可能性の高い提案を。パーソルクロステクノロジーがプライム案件を獲得できる理由とは?
パーソルクロステクノロジーのグループソリューション統括本部・システムソリューション統括本部は、パーソルグループのIT基盤を支え続けてきた知見と技術力で、コンサルティングからシステム開発・運用保守まで幅広くサービスを提供しています。
今回は「なぜ私たちはパーソルグループ“以外”のプライム案件を獲得できるのか?」をテーマに営業部のKenichiro.Fにインタビュー。パーソルクロステクノロジーのプライム案件獲得に向けた取り組みや今後の展望について話を聞きました。
※本記事は2025年1月公開時点のものです。
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インタビュイーのご紹介
私たちができることを正しく伝え、伴走型のSIソリューションを提供する
──本日はよろしくお願いします。あらためて、Kenichiroさんが統括している営業組織について教えてください。
パーソルクロステクノロジーで獲得しているプライム案件(*1)は大きく「内販」と「外販」に分かれています。
私たちは、パーソルグループ外のお客様に対してシステムソリューションを提供する「外販」の役割を主に担う組織です。既存のお客様とのリレーション構築や新規のお客様へのヒアリング活動など、課題解決に紐づくさまざまな業務を日々行っています。
*1)クライアント企業から直接受注した開発案件のこと。元請け
▼営業組織については、こちらの記事でも詳細を紹介しています。
──本記事のテーマはまさに「プライム案件獲得に向けた取り組み」です。プライム案件の獲得においては、かなり多くのステークホルダーが関わるそうですね。
そうですね。社内外問わず、プライム案件を獲得するまでには、多くの方とのコラボレーションが求められます。社内においては、私たち営業組織の他にプロジェクトマネージャー(以下、PM)やプロジェクトリーダー(以下、PL)、プリセールス、さらに正式受注後にプロジェクトを立てる組織の部門長や決裁権を持つ本部長や執行役員などが、部門・職域を超えて協働している点が特徴的です。
また、お客様側のステークホルダーもさまざま。情報システム部門のご担当者はもちろん、実際のサービス利用者となるユーザー部門のご担当者、それらの部門の責任者や決裁権者といった方々をグリップしながら提案活動をしています。
──プライム案件の獲得において、最初のハードルになるのが「リード獲得」ですよね。具体的に、どのようなアプローチをされているんですか?
大きくは「新規企業の開拓」と「既存顧客の深耕」に分かれており、それぞれアプローチをしています。
まずは、年間取引社数が約6万社というパーソルグループのチャネルを活用した新規顧客の開拓です。たとえば、事務派遣事業でのお取引があるなど、IT領域以外の接点を持っている企業様の営業に同行させていただき「システム領域でお役に立てないか」といった、新たな価値発揮領域を創出する活動をしています。当社が直接接点を持っているわけではない顧客にもアプローチできるのは、営業戦略上の大きな強みだと思います。
もちろん、パーソルグループの取引先ではない企業への接点づくりも重要です。著名なサービスベンダーと共催ウェビナーを開催したり、東京ビッグサイトや幕張メッセで行われる大規模な展示会に出展したり。そういった取り組みを通じて、新しい顧客層の母集団形成を行っています。
また、既存顧客については、進行中プロジェクトのPMやPLを介して追加受注になるパターンもあれば、あらためて営業担当から間口を広げるためのアプローチをさせていただくこともあります。
──リード獲得においては、試行錯誤の連続だそうですね。Kenichiroさんが感じている課題を教えてください。
パーソルグループと言えば「人材サービス」というブランディングが確立されているゆえに、なかなか「システム領域の課題」を持ったときの相談先として第一想起されないという課題を持っています。パーソルのブランディングと実際のケイパビリティとのギャップが、リード獲得における障壁の一つになっている印象です。
そのため、私たち営業組織は「パーソルクロステクノロジーができること」をお客様に示していかなければいけません。日々の営業活動の中で、システム領域での価値を感じてもらったり、パーソルクロステクノロジー独自のブランドを露出したり。そのような活動を継続していくことで、いますぐでなくても、しかるべきタイミングでお声がけいただけるようにしていきたいと考えています。
──啓蒙活動が大切になってくるわけですね。システム領域の課題解決をする上で、パーソルグループならではの強みはありますか?
一番の強みは「ケイパビリティの広さ」です。パーソルグループの各個社が培ってきた「お客様の業務プロセスに対する理解」と「同じ業界に関する知見」の深さは、大きな武器になり得ます。単なるIT課題の解決にとどまらず、業務や事業の課題からしっかりとアプローチする伴走型のSIソリューションを提供する。それが他SIer企業と一線を画するところだと思っています。
また、私たちが大切にしているのは「誠実さ」です。実現可能性を考えずに安請け合いしてしまうと、お客様の本質的な課題解決が困難になり、書面上の取引関係だけになってしまいかねません。そのような不誠実なことが起こらないように、私たちは高い技術力に裏打ちされた「実現可能性の高い」提案を重視しています。
私たちが開発したシステムによって、お客様の業務がきちんと改善されている。お客様から「良くなりました」と喜んでいただけるゴールを目指しています。早いタイミングから営業だけでなく、プリセールスやエンジニアにもお客様と接点を持ってもらい、より近くでお客様を感じてもらっているのも「実現可能性」や「本質的な課題解決」を大切にしているからです。
顧客シェア拡大の要となる「ラボ型契約」と「PMOコンサルティング」
──誠実な提案をするためにも、やはり開発側との協働は欠かせませんね。営業と開発の役割分担はどのようになっているのでしょうか?
我々システムソリューション統括本部では、デリバリー部隊である開発側が売上と利益の実予算を持っているという特徴があります。営業組織が持っているのは「バーチャルな予算」であり、実予算を持っている開発側の予算達成支援をするという構造です。つまり、利益率の採算確認や見積もり作成、それらを織り込んだ提案書の作成は開発側が行っています。
一方で、ITの専門家ではないお客様に代わり、エンジニアと専門用語を交えながらコミュニケーションを取るのが営業の仕事です。開発側がよりお客様の課題にリーチした提案と見積もりをまとめられるように、細かな機微も含めてお客様の情報を吸い上げる役割を担っています。加えて、中期経営計画や事業計画のようなIT領域外で取り込むべきお客様側のエッセンスを捉え、アプローチするアカウント全体に納得感のある提案を仕上げていく役目もありますね。
──昨今、DX推進が広がり顧客内製化の動きがありますよね。パーソルクロステクノロジーが顧客シェア拡大のために取り組んでいる「ラボ型契約」や「PMOコンサルティング」とは、どのようなものなのでしょうか?
一見すると、企業の内製化や市民開発化(*2)が盛り上がると「SIerの仕事が奪われる」と思いがちですが、お客様自身が資産を風化させずに維持運用していけるのは理想的な状態とも言えます。
そこを避けて通るのではなく、むしろ私たちの持つ専門的な知識をお客様の内製化プロジェクトの一部として“あて”にしていただき、中長期的に共存関係を築こうというのが「ラボ型契約」です。
たとえば、内製化のためにPMを一人採用するのも、IT領域でビジネス展開をしていない企業にとっては容易ではありません。やはり「専門領域は専門家に一部委ねる」という分担は永続的に残っていくと思いますので、内製化の確立を支援しながらも不足部分は補っていくという図を描いていきたいと考えています。
PMOコンサルティングに関しても近しい発想です。プロジェクトを推進する中で不足している部分に対して、顧客の立場で「適正なプロジェクトを推進する」ハンドル操作役を担えればと考えています。PMOコンサルティングにお客様のニーズを集約して「パーソルクロステクノロジーとしてできること」を提案したり、ネットワークを駆使してより良い提案ができる企業を紹介したり。そういった役割を果たすことで、お客様にとって価値の高いサービスを提供できると考えています。
*2)非IT人材である業務部門の社員が、ノーコードツールやローコードツールでシステム開発を行うこと
お客様との良好な関係の秘訣は「誠実さ」
──お話しを聞いていると、パーソルクロステクノロジーが顧客との関係性を継続していける秘訣には「誠実さ」があるように感じますね。
それに尽きますね。私はお客様が言っていることをそのまま実現しようとするのは「誠実」であるとは言い難いと思っています。お客様が求めるゴールの正解を必ずしもお客様自身が持っているわけではありません。ITのプロフェッショナルとして、お客様とのコミュニケーションの中から本質的な課題解決の手段を提案し、共に「本来あるべき姿」を描くことが重要です。
ボタンのかけ違いを極力なくし、丁寧に信頼関係を築いていく。お客様に「こんなはずではなかった」と後悔させない提案をしていくことが、良い関係性を長く続けていける秘訣だと考えています。
──Kenichiroさんが「誠実さ」を大切にするようになったきっかけを教えてください。
より意識するようになったきっかけは提案依頼書を出したお客様へITグランドデザイン(*3)を提案し、最上流工程から取り組んだプロジェクトです。コンペや入札ではなく、お客様と営業の関係性だけで受注したのですが、多様なステークホルダーとのコミュニケーション不足によってプロジェクトが前に進まなかったことがありました。結果として、当初想定していた契約金額ではお客様の課題解決ができないという事態に……。非常に苦く大きな失敗をしてしまいました。
一方で、組織内における開発と営業のコミュニケーション粒度の粗さや関係の希薄さを気付かせてくれた経験でもあります。その失敗をきっかけに、二度とお客様に対して不義理になるような提案活動をしてはいけないと意識を改めました。
それ以降は、あらゆるステークホルダーと良好な関係を築いており、密度の濃い提案活動ができるようになってきている実感があります。とくに、直近2年間は「顧客からのプラス評価」を得られているプロジェクトが99%に達しているという監査の結果も出ています。失敗から気づきを得たことで私自身、そして組織としても成長できた出来事でしたね。
*3)企業の業務プロセスや組織構造、情報システムなどを根本的に見直し、全体最適化を目指す工程
パーソルクロステクノロジーの事業をクロスさせて社会に貢献していく
──最後に、今後の展望を教えてください!
事業全体としての方向性はまさに喧々囂々の議論の真っ最中ですが、少なくとも「少しでも大きな課題、たとえば、社会課題等も視野に入れて解決していける存在にならなければいけない」という想いを持っています。
たとえば、少子高齢化に伴うIT人材の減少。この社会的な課題に対して、私たちは人材総合サービスブランドであるパーソルの立場とIT業界の立場双方においてリーダーシップを発揮できる存在でなければいけません。とくに、人材領域のITに関しては他社に負けない価値提供をしていく責務があると感じています。
また、高齢化は免許返納問題や歩行困難問題など、これまでは表面化していなかった社会課題を浮き彫りにしています。仮にパーソルクロステクノロジーの事業として確立されている組み込み制御系の自動車の研究開発をしている事業と私たちのIT事業が掛け合わされれば、自動運転社会の実現を加速させることもできるかもしれません。
パーソルクロステクノロジーの事業をクロスさせていくことで新たな価値発揮ポイントが見出せると思っています。
これらは私の個人的な想いが強い展望ではありますが、一人ひとりがさまざまな方向性で「やりたいことをカタチにしていける」カルチャーを持っているのはパーソルクロステクノロジーの強みだと感じています。
私たちが手がける「プライムSIプロジェクト事例」は、こちらの記事でも紹介しています!ぜひご一読ください。
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