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『MaaS × PERSOL』で社会課題を解決する。挑戦し続ける理由とは?

『はたらく』に関する社会課題の解決を掲げるパーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)。

2020年「顧客の安心・安全、そして豊かさをヒトとテクノロジーの力で実現する」をミッションとするエンタープライズソリューション統括部 交通サービス部は、新しい価値の創造という観点からMaaSプロジェクトを推進するモビリティソリューションデザインチームを新設しました。

「MaaSという手段を通して、日本社会の課題を解決したい」と語るのは、同チームの山本さんと吉田さん。

新しい領域であるMaaSに挑戦することになった背景や今後の展望を聞きました。

※ 2024年7月1日を以てパーソルプロセス&テクノロジーからパーソルクロステクノロジーへ事業移管されました。記事の内容は取材当時のものです。

プロフィール

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山本 広之(写真右)
2014年新卒入社。モビリティソリューションデザインチームのリーダー。
MaaS案件における顧客のカウンターとして開発案件に携わりながら、MaaSプレイヤーの団体等への加盟や活動参加を推進。新たなMaaSプレイヤーとの関係構築を目指している。

吉田 明海里(写真左)
2018年新卒入社。モビリティソリューションデザインチームのメンバー。
MaaSに関する開発や、知識のインプット・アウトプットをメインで担当し、MaaS発信noteを運用している。

▼MaaS発信noteはこちらから

事業をさらに加速するMaaSへの挑戦

ーー早速ですが、MaaSに挑戦することになった経緯を教えてください。

山本:私たちには、社会課題の解決や働き方改革を推進することで、人々に豊かさを提供したいという想いがあります。

そこで、自分たちが提供できる価値は何かを軸とした時に「MaaSで日本社会の課題解決に貢献できないか」と考えたのです。

また、主要顧客のシステム開発とは違ったアプローチをすることが、結果的には部署の既存課題でもあった売り上げの波への解決策にもなると気づきました。

こうして「人々の働き方と豊かさをデザインし、モビリティソリューションを通じて社会課題を解決する」というミッションのもと、モビリティソリューションデザインチームが発足。その後は、MaaS事業者とのアライアンス構築と技術者の育成という活動方針を立てるところから活動が始まりました。

ーー人々に豊かさを提供したいという想いがあってこそのMaaSへの挑戦だったのですね。そもそもMaaSとは何なのでしょうか。

吉田:MaaSは、もともと「車が排出するCO2によって環境が悪くなった」「車への依存度が高く渋滞が多い」など、国の課題への対策としてフィンランドで「移動手段を変えよう」という考えから生まれました。

日本におけるMaaSとは、この環境や交通渋滞の問題に加えて、地域過疎・人口減少そして高齢化など、日本特有の課題を「移動という面から変えていけないか?」というものです。

例えば、人手(働き手)の不足を補うためのAIで運行するオンデマンドバス。

乗りたい時に予約ができ、AIによって最適なルートを運行するバスがあれば、高齢者が多い地域にも移動手段の提供ができるのです。

実証実験では「バスの停留所まで行くことが難しい」という高齢者の方でもオンデマンドバスによって、簡単に移動が可能になるサービスも多く見られます。

MaaSという言葉は知らなくても「そのようなバスやサービスを見たことがある」「利用したことがある」という方も多いのではないでしょうか?

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ーーすごく生活に身近な考え方なのですね!MaaSの魅力はどこにあると思いますか。

吉田:日本におけるMaaSの特徴は、地域課題に根ざした価値の提供です。課題を抱える自治体や住民の生の声を聞くことが大切になります。

実際のサービス利用者と結びつきを持つことで、その地域、人ごとの課題を理解し、課題解決に貢献するというやりがいを実感できるのが一番の魅力です。

個人的には「社会課題の解決に取り組んでいる」と家族や知人に自信を持って言えるのが良いなと思います(笑)。

山本:MaaSの取り組みを進めることで、今までよりも直接的に日本の社会課題解決に貢献できると考えています。

MaaSで提供するサービスは、一般に生活する方々が主な利用者となるので、より利用者目線に立った開発をすることが求められます。言い換えれば自分達の作ったものが利用者の課題解決に直結するのです。それがMaaSに取り組む上での魅力だと感じています。

新しい取り組みはすべてが“手探り”だった

ーー本格的にMaaS事業を展開するにあたって、モビリティソリューションデザインチームはどのような活動から始めたのでしょうか。

山本:まず、MaaS市場における自分たちの立ち位置、価値発揮の方法について考えました。チームの立ち上げ期ということで、いきなり案件を受けるのではなく、MaaSの開発がどのようなものか自分たちが経験し、新しい取り組みに投資することに注力しています。

MaaSを進める上で必要な技術はもちろん、MaaS事業者様との関係構築も模索していく中で、2020年5月にMaaSに関心のある事業者の集まりである『MONETコンソーシアム』に加入しました。

その後「MaaSのシステム開発用にAPIを提供するプラットフォームを試してほしい」という実証実験のプロジェクトが公募されたのを受け、実際にMaaSのサービス開発に挑戦したいと応募したところ当選。実証実験に参加する機会を得たのです。

何もかも手探り状態でしたが「まずはやってみて、やりきろう」というところからスタートしましたね。

ーーそのMaaS検証プロジェクトと交通サービス部で担ってきた既存のプロジェクトでは、やはり違いがあったのでしょうか。

山本:まずプロジェクトの進め方から違いましたね。既存のプロジェクトは、開発手順を1つずつ確認しながら工程を進めるウォーターフォール型の開発がメインでした。

顧客が決定した仕様に対し、いかにQCD(Quality・Cost・Delivery)を担保しながら「お客様が持つ課題は何か」を吸収して進められるかが重要です。

一方、MaaSの実証実験ではコンセプトの設定から考える必要があったため、自分たちでブラッシュアップしながら、アプリ開発を進められるスクラム開発を採用しました。

「実際の利用者がどのような状態・デザインであれば使いやすいのか」という利用者目線を意識した開発は、今まで私たちが得意としていなかった分野でもあり新鮮でしたね。

また、開発期間も変わりました。
既存のプロジェクトは、長く顧客と伴走し、ある程度の時間をかけることがほとんどです。

今回は、ローコード開発ツールを導入し、1ヶ月半ほどの期間で開発を完成させました。

プログラミング言語をガツガツ使わなくても、新しい技術を使うことで「開発スピードはどんどん上がる」と実感しましたね。

『MaaS×PERSOL』で、社会に価値を提供する

ーーMaaSのプロジェクトは、事業部にどのような影響を与えたと思いますか。

吉田:SSOL事業部がDX推進をする中、MaaSの実績を作れたことは、事業部への貢献になったと思います。交通サービス部にとっては、新しいビジネスにつなげられる経験・財産になりました。

このような実績の積み重ねによって、新しい販路を見つけ出すというポジティブな影響をSSOL事業部全体に与えられると感じていますね。

また『MaaS=社会課題への取り組み』という前提自体が、SSOL事業部をはじめパーソルP&T全体で掲げる『顧客への貢献』『社会課題の解決を目指す』という考えに根ざした活動として貢献できているのではないかと思っています。

山本:私も吉田さんと同じ意見です。このMaaSの実証実験では、公募元企業の方からも良い評価をいただき、新たな企業様とつながりを持つことができました。

また、この実証実験をきっかけに、2021年1月末にMONETコンソーシアムのイベントで実証実験の取り組みを紹介する機会に恵まれたのです。

300名規模のイベントで、パーソルP&TとしてMaaSへの取り組みを発信したことが、MaaS市場の中でパーソルP&Tの認知度向上につながったと感じたのが一つ。

さらに、その登壇をきっかけに別の企業様とも新たな関係構築が生まれ、今後に向けて協業の話を進めることができました。

ここから新しいビジネスの創出につなげていきたいですね。

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ーー最後に、今後の展望を教えてください。

吉田:実際に地方に足を運び、その地域の課題を自分の目で見て、課題解決に取り組みたいと思っています。

私は、もともと教育業界に関心があるので、教育課題解決のために地方自治体の方と課題共有ができる関係を構築したいです。

山本:そうですよね。地方の自治体や課題を抱える企業様と一緒になって、何かを作って、それを使ってみるという実証実験のような取り組みにチームで挑戦したいです。

今までは、システムやアプリケーション開発の仕事がメインでしたが、今後はデータ分析やプラットフォーム開発も推進していきたいと思っています。

その上で『MaaS×観光』『MaaS×地方』『MaaS×働き方改革』といったモビリティを中心に据えた新たなビジネスを展開して『MaaS×PERSOL』として新しい価値を提供し続けたいですね。

ーーこれからも挑戦は続きますね。お二人とも、ありがとうございました!



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