世界や地方と協業しながら、エンジニア不足を解消する「グローバルチーム型開発モデル」とは?時代のニーズに応えるGlobal Bridge部の挑戦
「新しい挑戦」や「グローバルモデルの可能性」に魅力を感じ、2013年7月にGlobal Bridge部(*1)の前身となるインテリジェンス ビジネスソリューションズ沖縄(以下、IBS沖縄)の立ち上げに手をあげた仲本さん。4名でスタートした組織は現在70名規模まで拡大し、世界に高品質のITソリューションを提供しています。今回は、立ち上げから組織成長に関わってきた仲本さんにGlobal Bridge部のミッションや特徴、展望についてお話を聞きました。
(*1)スマホアプリ・Webアプリ・自社サービス開発など、グループ内外の案件を幅広く担当。拠点は東京・沖縄・ベトナム。
グローバルチーム型開発モデルに可能性を感じた
ーーまず仲本さんのキャリアについて教えてください。
2003年に大手 SIerに入社して、東京で3年ほどプログラマー、SEとして働きました。その後、地元沖縄のIT企業に転職したのですが、「上流ができない、PLやPMの機会が少ない」など、沖縄だとどうしてもやれることに限界があって…。色々悩みましたが、上流工程やリーダーができる成長機会を求めて「東京で働こう」と思い、2007年にパーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)の前身であるインテリジェンス ビジネスソリューションズ(以下、IBS)に転職しました。
IBSでは上流工程やリーダーの経験をすることができ、不満はなかったのですが、たまたま、IBS沖縄を立ち上げる話を聞く機会があって興味を示したところ、沖縄出身だったこともあり2013年7月から、再び沖縄で働いています。
ーー東京でのキャリアが順調だったところで、なぜ沖縄での新カンパニー立ち上げに参加されたのでしょう?
「新しい挑戦ができること」と「グローバルチーム型開発モデル」に大きな可能性を感じたからです。
オフショアの経験は前職で1年、IBSでもGlobal Bridge部に入る前に1年ほど経験していますが、現地のエンジニアのレベルは高いのにマネジメントが弱点になっている印象があって、そのとき 、大きく2つの課題を感じました。
1つ目は、発注(日本)側と受注(ベトナム)側がゴールを共有できていない点です。 当時のオフショア開発は日本側で設計したものをベトナム側に発注して、現地のブリッジSEやリーダーに仕様を伝え、QAのやり取りをする進め方でした。ただ、ベトナム側は設計書に書いているものを納めることがミッションで、日本側で目指しているゴールとは異なることがあり、同じ目標に向かった1つのチームになっていない状態でした。
例えば、日本側の設計段階において、細かい仕様を設計書へ記載できていなかったり、担当者が経験のある技術者とは限らず、技術的な考慮が不足している事があります。そのため「行間を読んでもらう」必要があるのですが、ベトナム側は請負契約であるため、設計書に書いている通りにつくることをベースに完了基準を決める必要があります。こうしたギャップが最終的なずれにつながっていることが多々ありました。
ベトナム側からすると業務範囲を規定しないと延々と仕事を依頼されてしまうことになってしまうので、「どこからどこまでやるのか」を明確にする必要があるのも理解できるのですが、「こうしたジレンマをなんとか解消できないか」と思っていました。
そして2つ目の課題は、これまでのオフショア開発ではブリッジSEとの日本語でのコミュニケーションに限定されていたということです。 そのため、海外のエンジニアと意思疎通が上手くいかない状態に陥りがちだったのです。
というのも、ブリッジSEはそのプロジェクトに即した経験やマネジメント、技術スキルではなく、日本語が話せるかどうかで選ばれることが多いんです。ベトナム側は依頼の意図や背景を理解できず、間違った解釈でエンジニアに伝えることが多く、それが原因で問題が起きたり、対応の仕方を間違えたりするエンジニアが多かったんです。また、ブリッジSE以外は日本語がしゃべれず、メンバーに直接作業指示や、意図や背景を伝えることができないので、改善も難しかったんです。
こうしたオフショア開発に関する課題を解決する手段が、パーソルP&Tの「グローバルチーム型開発モデル」であると確信し、Global Bridge 部の立ち上げに挑戦することを決めました。
世界や地方と協業しながら、エンジニア不足を解消する
ーーGlobal Bridge部のミッションを教えてください。
「もっとも高い品質を、もっとも効率的に」
「アジアを世界のソフトウェアエンジニアリングの中心地に」
「日本のSI産業の変革」
上記3つのミッションを掲げており、社会課題でもある「IT人材不足」を「グローバルチーム型開発モデルで解決する」という価値を提供していきたいと考えています。
日本ではエンジニアの需要が増えているにも関わらず、エンジニアが徐々に減少していくと言われています。この社会課題の解決のために、海外や地方のエンジニアの活用や、シニア層や女性が活躍できる環境づくりが必要だと考えています。そのような多様な人材の活躍を可能にする私たちのグローバルチーム型開発モデルは業界のロールモデルになり得ると思っています。
また、IT人材不足という社会課題を解決するために2つ取り組んでいることがあり、1つが上述したエンジニアの活用、もう1つが生産性向上の取り組みです。Global Bridge部では、RPAやWagbyやIntra-martを活用した高速開発などの導入にも力を入れています 。こうした取り組みを通じて、少しでもエンジニア不足による課題を少なくしていきたいですね。
ーーGlobal Bridge部ではどんな人が活躍していますか?
常に新しいことに挑戦している組織なので、物事をポジティブにとらえ、仕事を楽しめる方、いろんなチャレンジ(変化)を楽しめる方が活躍しています。
例えば、私たちがスマホアプリの開発を始めたのも、実はここ1年くらいです。それまでWebアプリを開発していた人が突然スマホアプリをつくることになる、なんてこともありました。でも、初めてのことを楽しみながら、社内外のナレッジを活用して、みなさん自分で道を切り開いています。
英語に関しては入社時から高いレベルであることは求めていません。ただ、前向きに挑戦していく気持ちは必要です。個々の能力によって、チャットなど自分に合ったレベルでやり取りしてもらうことから始めてもらっています。
また、プロジェクトの最初は お互いの温度感が伝わりにくく 、リモートでのコミュニケーションに慣れる必要があります。良い関係性をつくるために現地に赴くことも大切で、場合によっては、現地に1週間ほど滞在して対面でキックオフをすることもあります。
個の長所を伸ばし、意欲を後押しする文化
ーー今後の展望を教えてください。
組織の方針としては「挑戦と成長」を掲げています。これまでプロジェクトで大規模なトラブルが発生したこともありましたが、失敗しても挑戦したことには意味があり、そこから次に活かしてほしいと考えています。失敗したことで次の挑戦をためらうようになるのではなく、次に活かしていこうという未来志向であってほしいと考えています。Global Bridge部には、そうした失敗を恐れず、挑戦と成長を後押しできる文化が根付き、一人一人の長所やスペシャルな部分をつくることを大切にしています。
ーー個の長所を伸ばすために、部署としてはどんな施策を?
学びへの意欲は常に応援したいと思っています。例えば、就業時間の10%を勉強時間にあてられる「10%ルール」という制度を設けて、自分が伸ばしたいスキルを磨く時間を確保しています。
他にも、英語力を伸ばす英語学習アプリやオンライン英会話の使用料を会社で負担したり、外国人講師を招いた英会話研修を社内にて開催したりと、個人の能力を高める様々な制度や施策を導入しています。
ーーそのような制度の導入は「エンジニア不足を解消する」という目標達成にもつながりそうですね。
そうですね。エンジニア一人一人の活躍範囲が広がることはエンジニア不足の解消にもつながると思います。
システム開発のニーズはあるのに「エンジニアが不足していてできません」というケースはこれから増えていくでしょう。その中で、我々が目指しているグローバルチーム型開発モデルは大きな強みになると思います。今後はさらに自社以外のパートナー様とも協力してネットワークを拡大し、エンジニア不足という社会課題の解消を目指していきます。そして、Global Bridge部がより魅力的な組織になるように、引き続き取り組んでいきたいと思います。
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