メンバーの「困った」をどう拾う?PM/PLに聞くフルリモートでのプロジェクト管理術!
緊急事態宣言に伴い、パーソルプロセス&テクノロジー(以下:パーソルP&T)では4月から勤務体制をフルリモートに移行しました。お互いの顔が見えない中、リーダーたちはどのようにマネジメントを行ってきたのでしょうか。
グループソリューション統括部でパーソルグループの新規サービス開発のプロジェクトマネジャーを務める辻智史さん(写真右)と、パーソルグループが運営する転職支援Webサービス「doda」の運用・保守プロジェクトでリーダーを務める落合満さん(写真左)に話を聞きました。
Teamsチャネル『ボヤッキーの部屋』で相談が活発に
ーーまず、お二人のこれまでのキャリアと、現在の担当業務について教えてください。
辻:前職では地方の中小企業で大手メーカーの人事経理システムの開発、保守業務に従事していました。2013年4月にパーソルP&Tに入社し、今はパーソルグループ内の新規事業の開発案件を手がけるチームで、プロジェクトマネジャーとして7人のメンバーとベトナムのオフショア10名前後のチームを見ています。
落合:私は前職では販売管理システムや医療系サーバーの監視システムの開発支援をしていました。実はそのときにパートナー企業の一員としてパーソルP&Tのプロジェクトに参画したことがあったんです。発注元・発注先の関係性を感じさせないフランクな雰囲気や、丁寧な仕事の進め方が魅力的で、2013年10月に当社に転職するときにはそれが決め手になりました。
現在はパーソルグループが運営する転職支援Webサービス「doda」の保守を手がけるチームで、グループリーダーとして15名ほどのマネジメントをしています。
ーー今回、お二人ともフルリモートでのプロジェクト運営は初めてだったと思うのですが、やってみていかがでしたか?
辻:以前から、私自身はお客様のオフィスで業務することも多く、豊洲本社の開発メンバーとリモートでやり取りする機会が頻繁にあったので、そこまで違和感はありませんでした。
ただ、4月から全員がフルリモート体制になった直後は、周囲の状況が見えにくくなったために、困っていても声を上げにくくなっているメンバーが増えているのを感じましたね。
ーーオフィスならすぐに声を上げられるのに、リモートだと相談しにくくなったということでしょうか?
辻:そうなんです。近くにいれば「どうしたらいいですか?」とすぐに聞けることでも、リモートになると「今相手は忙しいかもしれない」と躊躇してしまうんですよ。
オフィスにいれば、困った様子のメンバーがいれば私からも声をかけるのですが、リモートではそれができません。今は朝会や夕会以外にも「どう?」とちょこちょこ声をかけるようにしています。
落合:私も辻さんと同じで、フルリモートになると各メンバーの状況がわかりにくいという課題を感じました。でも、だからといって細かく進捗を聞きすぎても、それはそれでメンバーの集中を妨げてしまって、ストレスになるのが難しいところなんですよね・・・。
そこで役立っているのが、リモートワークが始まってからTeamsに新設した『ボヤッキーの部屋』という雑談チャネルです。今はこのチャネルが困りごとをその都度気軽に発信できる場として機能しています。
直接相談するのをためらってしまう人でも、このチャネルなら「一方的にぼやくだけ」で済むので、発信のハードルが低いのだと思います。
顔が見えないからこそ、状況変化を常に共有する
ーーフルリモートでのマネジメントを経験して、改めて気づいたことや意識が変わったことはありましたか?
辻:困っている人がきちんと声を上げられるように、相談事を発信するプロセスをきちんと用意することと、その運用方法を先輩社員が示すことが重要だと思いました。
私たちも『ボヤッキーの部屋』のような『何でも窓口』という雑談チャネルをTeams上に作っています。最初にベテランがそのチャネルを使って発言し始めたことで「そんな風に使っていいんだ」という感じで、みんなが気軽に話せる場になっていきましたね。
あとは、自宅作業になるとオンとオフを切り替えにくくなるようで、残業する人が一時的に増えてしまったんですよね、みんな真面目なので・・・(笑)。メンバーが働きすぎないように、上の立場の人が目を配る必要性を感じました。
落合:業務状況の把握は本当に重要ですよね。私のグループが担当している保守作業は、スタートからゴールまで全ての作業が決められているものではなく、ほとんどの場合は途中で状況が変わっていくもの。だからこそ、グループ全員が共通の認識を持ち続けていないと、作業に間違いや手戻りが発生してしまいます。
お互いの顔が見えないときほど、状況の変化をメンバーに伝えることを一層大事にしていかないといけないと思いました。
ーーグループソリューション事業部ではお客様がパーソルグループの企業ですよね。だからこそやりやすい点や、反対にやりにくい点はあるのでしょうか?
辻:お客様と「一緒に作っていく」という意識は確実に共有されていると思います。コストやスケジュールのことなども正直に言いやすい関係性ではありますね。
落合:そうですね。ただ「フランクな関係性」なのはいいことなのですが、ビジネスの話も通常の会話の中で進みそうになるときがあります。
頼まれたことはなんでも引き受けたいのですが、引き受けすぎると業務が回らなくなってしまうし、距離を取り過ぎても冷たい関係性になってしまいます。その線引きが難しい部分はありますね。先を見据えたバランス感のあるマネジメントが求められると思います。
リーダーに求められるのは「変化への柔軟さ」
ーーお二人がマネジメントをする上で、普段から大事にしていることを教えてください。
辻:なるべく固定観念にとらわれないように気をつけています。開発系のプロジェクトでは、お客様の要望による計画変更は付き物なので、いつも最初に「一番いい展開になった場合」と「一番悪い展開になった場合」を事前に想定しておきますね。そうすればどんな依頼が飛び込んで来ても、柔軟に対応することができるからです。
落合:私も過去の経験から、「絶対にこうした方がいい」と思いこまないようにしています。「このやり方しかない」と思っていると、うまくいかなかったときにそこで止まってしまうんですよ。それよりも、「やってみた結果どうなって、それをどうするか」を都度判断していくようにしています。
ーー先日、落合さんがベストエンジニア賞(システムソリューション事業部が独自に選出する年間MVP表彰)を受賞した際に発表されていた言葉にもつながる話ですね!
落合:ありがとうございます。後で見るとどこかで聞いたことあるフレーズのような気もしますが・・・(笑)失敗しても立ち止まったりせずに、次にどこに向かっていくのかをチームで一緒に考えればいい。メンバーにもそんな気持ちで望んでもらいたいなと思って書きました。
ーーお二人に共通しているのは、変化に柔軟な姿勢だと感じました。何が起こるか分からないVUCAの時代に求められるリーダーの資質とは、まさにそれなのかもしれませんね。ありがとうございました!
グループソリューション統括部では、エンジニアを募集しています。興味をお持ちの方は、こちらからご応募ください!