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【プロジェクト紹介】お客さまへのグランドデザインの提案、そして開発手法の変革。「顧客中心型」へのこだわりをお伝えします

パーソルクロステクノロジーのエンタープライズソリューション本部は、パーソルグループ「外」のクライアントに対して、コンサルティングフェーズからシステム開発までワンストップでサービスを提供しているチームです。

中でもモビリティソリューション部は、交通インフラを担う国内大手企業のさまざまなお客さまを対象に、長年に渡ってさまざまなシステムの要件定義から開発・保守までを担当してきました。

本記事では、そんなモビリティソリューション部のとあるチームのプロジェクトをご紹介。“請ける”だけでなく提案する、そして開発手法を変革してでもニーズに本気で応える仕事スタンスそれを成し遂げたチームについて伺いました。

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■インタビュイーのご紹介
窪田 裕好 さん
2002年、後にパーソルクロステクノロジーと合併される株式会社東洋ソフトに中途入社、小規模なプロジェクトから100人を超える大規模なプロジェクトまで50件近くのPMや、PMの育成・支援を経験。その後2016年よりエンタープライズソリューション本部 モビリティソリューション部 マネジャーに就任。

※窪田さんには以前、プロジェクト運営について伺いました。併せてご覧ください!


■【キャリアの紹介】想定外のアサインで拓けたキャリアパス

――まず、これまでのご自身のキャリアについて教えてください。

私は大学卒業後、プログラマーとしてキャリアのスタートを切り、最初は主にコーディング・テストや下流工程の設計等で複数の案件を経験していました。3年目には既存のプログラムをリニューアルする大規模プロジェクトを任され、アーキテクチャーが変わったり、オブジェクト指向での設計に苦戦したりするなど大変な部分はあったのですが、無事に完遂することができ、技術者としてのキャリアと自信を積み重ねていました。当時を思い返すと「今後のキャリアでも技術を磨き、アーキテクトを目指そう!」と考えていたことを思い出します。

そう思った矢先、「上流を経験したほうがいい」という上司の考えもあり、次のプロジェクトではお客さま先にて上流設計を担うことになりました。極めようと思っていたプログラミングに触れる機会が大きく減り正直なところ不安や不満も感じていましたが、お客さまがこうした私の状態を理解し大いに配慮頂いたこともあり、少しずつ任される領域が広がり、結果的にお客様先の名刺を持って顧客調整からベンダー管理までを経験させて頂きました。お客様との関係構築や案件提案など、ここで身につけたことが今マネジャーとして大いに生きており、もしあの時断っていたら全く違うキャリアを歩んでいたと思うとあの時の選択は間違っていなかったなと思います

――現在はどのようなことに取り組まれているのですか。

その後、複数のPM経験を経て、現在はモビリティソリューション部のマネジャーを担っています。これまでは大型プロジェクトのPMやラインマネメントがメインでしたが、現在はチームの変革も行なっています。時代の変化に併せてよりスピーディに顧客要望に応えられるような組織となるべく、メンバーと共に体制構築から顧客開拓・提案などのチャレンジをしているところです。

■【プロジェクトの魅力】〜グランドデザイン提案から開発手法の変革まで〜

――次に、モビリティソリューション部の「仕事・プロジェクト」について教えてください。まず、現在どのようなプロジェクトに携わっているのですか。

私たちが所属するモビリティソリューション部は、国内の大手交通インフラを担う企業をお客さまとし、そのシステム開発を行っている部署です。例えば、過去のプロジェクトでは日本全国で利用されている予約サービスの設計・開発・改修・保守などを行なってきました。

その中で、現在私のチームが携わっているのは、お客さまの新規事業部との開発プロジェクトです。詳細はお伝えができないのですが、分単位かつ大人数が関わる業務プロセスについてスマートフォンのアプリを用いて効率化し、相互の連携を高めたり、全体の進捗を把握したりすることを実現しようとしています。

コロナ禍でビジネス環境が大きく変わる中で、お客さまは社内の生産性を高めることはもちろん、さらに同様のプロジェクト・進捗管理を行う様々な業界・業種にもシステムをSaaS展開していくことも検討されています。

――なるほど、ではこのプロジェクトは、お客さまが新規事業として構想されたものを設計・具体化するところからスタートしているのですね。

いいえ、実は最上流であるグランドデザインを私たちが提案するというところからスタートしています。これまでもさまざまなシステム開発を通じて関係を築いてきたお客さまなのですが、最初はどの様なことを実現したいかをざっくりお伺いするところからでした。

そこから、「それならこのツールがつかえるね、こうすれば実現できるね」というイメージを具体化しご提案したところ、ぜひやりたいとの反応を頂き、プロジェクトが始まっていきました。今まさに3月をゴールに構築を進めており、4月以降にはPoCも予定されています。

――グランドデザインからとなると、最上流からプロジェクトに参画されているのですね。今回新規事業とのことで特に、期待されるスピード感も早いのかなと思うのですが、どのような形で開発を進めているのですか。

これまで私たちはウォーターフォール型でプロジェクトを進めてきましたが、このプロジェクトでは新たにアジャイル手法・スクラム開発体制を取り入れ、オーナーであるお客さまに伴走しています。

ここ数年、システム開発に求められることは、大きく変わってきました。オーダーを受けてシステムを開発する時代から顧客中心型の時代に代わり、仕様確認も文面の仕様書よりプロトタイプを触って頂きながら進める、作りきるよりはスモールスタートでお客さま・利用者の反応を踏まえ機能増強していく、そのような手法が求められていると思います。

元々私たちはチームとしてこのような方針を目指していましたし、今回のプロジェクトのお客さまもまさにこの部分を求められていたため、前例にとらわれずアジャイル手法・スクラム開発でチャレンジすることを決め、現在も挑戦し続けています。

――これまでと開発体制を変えるとなると大いに困難もあったと思うのですが、実際にはどのような難しさがありましたか。

まずアジャイル手法について、皆もちろんある程度の認識はあったものの、導入当初は運用しながら計画の考慮不足を実感したり、想定以上に時間が掛かったりすることはありました。アジャイル手法では、概ね十日間で計画から設計、製造テスト、お客さまの検収までを終え、次の計画に入っていきます。非常にサイクルが早いことが特徴で、日々の進捗の影響度も大きく、PMの力量も大いに問われることも実感しています。

一方、実際にやってみているからこそ「リスクの芽をすぐに潰せる」などの良い点も身をもって感じています。ナレッジを貯め、マネジメントルールなどの精度を高めていくことで前述の問題は解消されてきましたし、さらによりよい運用ができるよう引き続きチャレンジを続けていきたいですね。

――そのほかに、今回のプロジェクトでチャレンジされていることはありますか。

やはり、お客さまの要望に応えていくことを考えると、世の中で叫ばれているDX推進の流れは見落とせません。その基盤になっているのはクラウドで、だからこそ私たちもクラウドネイティブに対応していくことは非常に重要だと考えています。この点も、今回のプロジェクトを通してチャレンジをしている部分です。

先ほど4月にはPoCを試す予定だとお話しましたが、クラウドベースでシステムがうまく動くか、あるいはUI/UXがどうか等、現場の意見を伺いながら必要な機能等を検証し、SaaS化にむけた次のグランドデザインに繋げていければと思っていますね。

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■【組織・チームの魅力】〜「強み・特異性」を生かす〜

――今度は窪田さんのチームについて教えてください。まず、どのようなことを目標に掲げている組織なのですか。

前段の話と重複しますが、私たちモビリティソリューション部ではこれまで大手交通インフラ企業に対し、上流の設計から開発・実装・改修・運用保守までを担当してきました。長年のプロジェクトを経てお客さまとは良い関係を築いてきましたが、今後一層要望に応えていくべく、現在変革を進めています。具体的には、組織としては「アジャイル型組織」、そして「クラウドネイティブに対応できる組織」になることを目指しており、先ほどのプロジェクトもその案件の1つとなります。

まず「アジャイル型組織」ですが、お客さまの限られた予算の中で、実際にシステムを利用するお客さまやその従業員の方の評価や要望を反映していく・形にしていくことは、今そして今後大いに求められていくはずです。そのために、例えばデザイン(UI/UX)、開発・テスト、マーケティングなど、一人ひとりの専門性に「尖り」を作り、皆がITの観点から施策を考え提案できるようなチームを目指しています。アジャイルでは5,6人の少人数でスピーディに進めるからこそ、この一人ひとりの強み・特異性を大いに生かせる良さがある。それを一つひとつ形にしていき、切磋琢磨しながら団結力が強まっていく状態に近づきたいです。

また、アジャイルではお客さまとの立ち位置が対等です。お互いの意見を聞き、それがシステムとして形になっていく。だからこそ、お客さまと近い距離感でプロジェクトにキャッチアップできます。これは、たとえばウォーターフォール型の末端でテスターとしてはたらく感覚とは全く違うものです。プロジェクト全体とお客さまの顔・要望が見える中でスピーディにシステムを増強し、やりがいをもってはたらける環境を作り上げたいです。

さらに、「クラウドネイティブに対応できる組織」として、これまでオンプレミスで作っているものをリフト&シフトでクラウドにしていく、AzureやAWSの機能を理解し大いに活用するといった人材を増やしていくことも目指しています。オンプレミス環境ではハードの老朽化等や繁忙期に耐えうるインフラ調整などに配慮が必要ですが、クラウドはその部分を意識する必要がありません。メリットが大きいからこそ、私たちもそれを理解し、積極的に使いこなせる組織へと進化していきたいです。

――お客さまに応える、という観点から明確なビジョンをお持ちなのですね。そんな窪田さんのチームではどのような方がはたらかれているのか、チームの雰囲気を教えていただけますか。

私が属するモビリティソリューション部自体は80人ほどの組織で、それが5チームほどに分かれています。それぞれに特色はあると思うのですが、私のチームも含めて「技術探求心が高い/技術力が高い」方が多いですね。キャリアとしてもアーキテクト寄りの志向のメンバーが多いと思います。自分の専門性(デザイン・アーキテクトなど)を発揮でき、それに注力した仕事ができている方が多いので、やりがいを持ち、高いパフォーマンスを発揮してくれていますね。

また、若手のエンジニアが活躍していることも特徴の一つかもしれません。技術力が高い方は若手にも多く、30手前くらいの方も大いに活躍してくれています。

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<中国出張の様子>

■【はたらく魅力】〜上流経験と技術への探究心の両方を味わえる〜

――今後アジャイル組織・クラウドネイティブに対応できる組織へと向かっていく中で、そこではたらくエンジニアにとってはどのようなチャンスがあるのでしょうか。

まず、仕様検討やお客様の目的・全体像といった、お客さまと近い環境、上流工程に携わりながらも、プログラミングを通じて開発・実装にも携われる、この両方をミックスして経験できるということだと思います。

一般に、上流工程で仕事をすると、プログラミングに携わる機会は大いに少なくなりますよね。実際に私も経験しましたし、読んで頂いている方にも共感頂けるところではないかと思います。ただ、もちろん相応のスキルやスピード感が求められるハードな環境ではありますが、アジャイルという手法ではアーキテクト志向や技術の手触り感、探求心を大切にしながら上流に携わることができる点が魅力です。このような環境を求めている方にはうってつけではないでしょうか。

――実際に近年入社された方でご活躍されている方はいらっしゃるのですか。

中途入社でご入社された方(以下Yさん)は、前職二次請けとして既存機能の保守開発がメインで仕事をされていた方でした。経験値的にも技術力も申し分ない優秀な方なのですが、お客さまからの距離の遠さもあり、「このシステムって何のためにあるのだろう、自分は何のために開発しているのだろう」と迷いを感じられていたそうです。確かに、目的もビジョンもない中では情熱も燃やせませんよね。ご本人もこのままで良いのかと疑問を持ち、転職活動を始められたとのことでした。

私は面接官としてその方とお会いしお話ししたのですが、その中で大いに本人のポテンシャルを感じ、「入社後は仕事を通じて違う環境を提供し、提供できるようにしよう」と心に決めました。

そして実際にご入社後には様々な役割にアサインしました。具体的にはお客さまとの接点を増やせるようPMをご経験いただき、次に大事なお客様の大型案件のアーキテクトとしてジョインしてもらい、さらに今では顧客商談時のプリセールスまで任せています。

結果、それぞれで大活躍され、どんどん価値提供の範囲を広げられたのです。先にご紹介したプロジェクトのグランドデザインも、実はYさんが中心となって進めてくれたものです。前職とは異なる私たちの環境において、情熱とやりがいを持って、大いに価値提供してくれていることを本当にうれしく思っています。

――環境や役割で開花されたのですね。こうしたマネジメントスタンスは、窪田さん独自のものなのですか。

いいえ、人によって表現は多少違うかもしれませんが、パーソルクロステクノロジーのマネジャーは皆意識しているところではないかなと思います

少し脱線しますが、昔読んだ本で「ある小学校でクラスになじめない転校生に対し、先生がすべきことは何か」というテーマがありました。その答えは、そこにいていいんだという気持ちを作ってあげること、そしてそのために「転校生に役割をつける」よう書いてありました。飼育委員として動物を育てた彼は、クラスメイトが動物と戯れる中で自分の居場所を見つけ、輪の中に入っていったそうです。

私は、マネジメントもそれと同じだと思っています。役割責任を広げ、成功を支援し、パフォーマンスを称賛し、もちろん報酬でも報い、さらに高い役割にアサインするこうしてチャレンジを支えることで、Yさんのように本人の成長にもつながり、結果私たちの組織も事業も広がっていきます。このスタンスは、私たちのチームはもちろんモビリティソリューション部・パーソルクロステクノロジー全体に共通しています。Yさんと同じ境遇にいたり、同じ悩みを抱えていたりする方には是非私たちの会社で大いに活躍頂きたいですね。

――最後に、この記事をご覧いただいている皆さんに一言メッセージをお願いします。

これまで皆さんが経験されてきたこと、培ってこられた専門性を、私たちは最大限尊重します。特に私たちのチームでは、アジャイル・クラウドネイティブへの挑戦を掲げて組織としてもチャレンジしていますし、皆さんの強みをより尖らせ活かしていただける役割・責任・環境も提供できると思います。さらに、それが成果に繋がれば報酬にも繋がります。

目的意識を持ち、ステップアップしたい、自分を変えていきたいという想いをお持ちであれば、是非一緒にはたらきましょう!


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